2012年10月28日

志の輔らくご in ACT 2012

志の輔inアクト公 演 名 : 志の輔らくご in ACT
公演期間 : 2012年10月22日(月)〜10月25日(木)
会  場 : 赤坂ACTシアター

『演目』
昨年から始まった落語通い。志の輔師匠の落語も、正月のパルコ劇場、7月の本多劇場と聞いてて来て、今回は赤坂ACTシアターです。演目は「中村仲蔵」のみですが、初めに「中村仲蔵を1.2倍楽しく聴く法」として、仮名手本忠臣蔵11段のダイジェストが語られました。実際にあった赤穂事件とそれを幕府の目をくらませながら時代を鎌倉時代に変えて作られた仮名手本忠臣蔵。赤穂四十七士をいろは四十七字にかけて「仮名手本」そして、赤穂事件(1702年)から47年後の1749年に歌舞伎版の仮名手本忠臣蔵が初演されていること。松の廊下で浅野内匠頭(芝居では塩谷判官高貞)の刃傷沙汰を梶川頼照(同加古川本蔵)を止めずに本懐を遂げさせておけば忠臣蔵は無かったこと。そして仮名手本忠臣蔵11段をダイジェストで手際よく紹介した後、毎年暮れになるとこの物語が繰り返し再演されるのは、皆が心の中に討ち取って貰いたい人間を1人や2人持っているからということを語り休憩に入りました。

『中村仲蔵』
中村仲蔵の登場する落語は、このお話と後日談の「淀五郎」があります。下立役(稲荷町)・中通り・相中・名題という身分制度でなりたっている歌舞伎界において血筋・家柄のどちらにも恵まれない仲蔵が、精進の結果大看板團十郎に才能を見いだされ、ついには名題となり、出世をやっかんであてがわれた、仮名手本忠臣蔵5段目登場する斧定九郎を斬新な解釈で演じきり江戸中を熱狂させるという物語。

YouTubeにある先代の林家正蔵師匠の「中村仲蔵」を聞いてみると、歌舞伎の身分制度を簡単に説明し、仲蔵が斧定九郎を割り振られたところからの語りだしで20分程度のお噺です。これに対して志の輔師匠は、仲蔵の小さな頃から語り始め、相中になったエピソードからとうとう名題として屋号を与えられるまでをじっくりと紹介していきますので70分を超す大ネタとなっています。以前から志の輔師匠の芝居噺は良いとの評価も聞いていましたので大層期待して出かけましたが、これがもう期待以上の素晴らしさ。

おかるの父与市兵衛を殺して50両を奪い取り、たった一言「50両〜」と台詞を言い、イノシシと間違われて勘平に撃ち殺されるだけの「斧定九郎」という役をなんとか工夫して演じきろうと悩む仲蔵、ふと出会った旗本の出で立ちからまったく新しい「定九郎」像を作り上げる仲蔵。仲蔵の演じた定九郎に斬新さに声もかけられないほどびっくりした江戸の芝居好きたちの描写。受けなかったと思い込み悲嘆する仲蔵と、本当に受けたことを知ったときの仲蔵の喜びの描写。それぞれが本当に素晴らしくて、ただただこの落語を聞くことが出来て良かったと思うばかり。本多劇場で聞いた大河への道『伊能忠敬物語』も良かったけれど、今夜はまた格別の一夜となりました。

『パルコ劇場2013』
ということで、いよいよ2013年1月公演「志の輔らくご in PARCO」が発表されました!

パルコ劇場のツイッターにこんなツイートが!またチケット頑張って取らないとね!

『パルコが一カ月らくごになる。八年目 2013年1月公演「志の輔らくご in PARCO 2013」上演決定!詳細は11月頃発表予定です、どうぞお楽しみに! http://bit.ly/WZIQBc

http://www.parco-play.com/web/play/shinosuke2013/

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2012年06月01日

下町ダニーローズ

公演名:下町ダニーローズ第14回公演 立川談志追悼公演 演劇らくご「談志のおもちゃ箱」
日時 :平成24年5月30日
場所 :新宿シアターモリエール
脚本・演出 : 立川志らく
出演 : 立川志らく 熊谷弥香 モロ師岡 竹本孝之 加治将樹 桂雀々
     橘家文左衛門 酒井莉加 松尾マリヲ 図師光博 浜田美希 松本唯
     宮本愛美 みやび 立川らく兵 原武昭彦 マギー 松岡弓子 蛭子能収
     ミッキー・カーチス

『黄金餅』
落語の中でもかなりブラックなネタである「黄金餅」
舞台は、このネタの前半を志らく師匠が担当し、後半を談志師匠の映像が担当する形で始まります。

古典落語「黄金餅」ストーリー ”ウィキペディアより”

落語の中では、西念が死ぬ間際に呑み込んだお金の入った金兵衛が奪い取り、そのお金を元に開店した餅屋が販売した「黄金餅」は江戸の名物にとなりますが、舞台はその後日談。西念と金兵衛の因縁が昭和時代に甦ります。

「談志のおもちゃ箱」と名付けられているように、談志師匠の愛した音楽・映画が満載。ミュージカル風の舞台かと想像し、下手な歌やダンスが繰り広げられたらどうしようと若干腰を引き気味に鑑賞していましたが、それはまったくの杞憂で楽しい演劇の世界を堪能する事が出来ました。志らくさんの落語の会には何回か行きましたが、初めての演劇イリュージョンの世界、楽しみました。

ダニー


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2012年02月01日

志の輔らくご

『立川志の輔』

志の輔らくご in PARCO 2012
http://www.parco-play.com/web/page/information/shinosuke2012/shinosuke2012.pdf

毎年恒例の「志の輔らくご in PARCO」に行ってきました。一昨年あたりからぼつぼつと落語を聞くようになり、談志師匠が亡くなられてからは、立川流の落語家を聞いてみようとチケットを取るようになりました。志の輔さんは「ためしてガッテン」でおなじみですが、落語は「歓喜の歌」を聞いたくらいの程度。でも、「志の輔らくご」のチケットはプラチナチケットと呼ばれるほどの人気であるとのことで、ぴあで先行抽選に申し込んで見ると運が良かったようで入手し、めでたく聞くことができました。

志の輔さんについては、最初演劇をやっていた程度の知識しかありませんでしたが、ウィキペディアで調べて見ると、「明治大学では落研に入っていて、同大学の落研では伝統ある高座名「紫紺亭志い朝」を、2年先輩(4代目)の三宅裕司から引き継ぎ、5代目紫紺亭志い朝として活動し、2年後輩の渡辺正行に譲る(6代目)」とあります。この流れも素晴らしいのですが、やはりもともとの素質もずば抜けていたのでしょうね。ということで、「古典落語から新しい解釈の元、演劇的要素等も取り入れて、現代にも通じる落語ワールドへと展開させ演じている落語家であり、師匠である7代目立川談志も志の輔の芸を高く評価している。」との話芸は如何なるものなのか?

志の輔落語

『感想』
パルコでの「志の輔らくご」1ヶ月のロングラン公演になってから今年で7年目だそうです。500席弱の劇場で24回公演、あわせて10,000の動員となるわけですが、志の輔師匠は武道館でやれば1回で済むのにと軽口を叩いておられました。落語という演芸は、小屋の規模はこの劇場が上限、しかし沢山のお客さんに聞いて貰いたい、だからロングラン公演になってしまう。そんなわけですが、そのチケットがあっという間に売り切れてしまう。何故か?

ご存じのように志の輔さんの声はお世辞にも美声とは言いがたい声です。少しかすれてちょっと辛そうに声をだします。実際、最初の演目ではそのことがかなり気になりました。少し話題がそれますが、落語家の独演会というと、先ずは前座さんが短くて有名なお話(やかんとか転失気等)をし、次に弟子筋の二つ目が出てそれなりのネタをやり、最後に独演会のやっている本人が大ネタに挑戦するとの流れが一般的です。しかし「志の輔らくご」ではその全てを志の輔さん本人が担当します。

初めての「志の輔らくご」なので、いつもこうなのかは解りませんが、最初は見台の用意された舞台に志の輔さんが登場して、世間話でも始めるかのように独演会が始まります。時に見台に頬杖を付きながら話を続け、客席が暖まったところで演目(1)が披露されました。次は着物も着替えての演目(2)、これも(1)と同様の新作落語で志の輔ワールド全開です。このあたりで志の輔さんの声にも慣れ、すんなりと耳に入ってくるようになってきます。

そして休憩後の大ネタ演目(3)。志の輔さんは黒の紋付羽織袴でびしっと決めて登場。枕も無しにすぐに話を始めました。そしてこの演目(3)が凄いものでした。談志師匠が褒めた落語家ですから上手いのは当然ですが、何よりも驚き感動したのが声の強弱の絶妙なコントロール。お話のクライマックスは主人公の告白シーンなのですが、小さく小さくピアニッシモで語られるその告白の哀しさといじらしさと言ったらもう本当に素晴らしいの一言。大げさではなく、一言も聞き漏らさないぞと思い聞き入りました、この日この場所にいて本当に良かったと思う瞬間でした。

志の輔さんは最後の挨拶で、最後の演目は「自分が昇進した時に談志師匠がやってくれた噺です」と説明。そして談志師匠の思い出として、「志の輔らくご」の「歓喜の歌」を聞きに来てくれたこと、普段なら最後まで聞かず帰る談志師匠が、最後まで聞いてくれて「弟子の高座で、最後まで聞いた噺家はお前が初めてだよ」と言われたことが、自分にとっての宝物だとのエピソードを披露されました。

談志師匠が亡くなられて2ヶ月が過ぎました。覚悟していたとは言え、志の輔さんもどこか寂しげです。落語の聞き巧者として有名な堀井健一郎さんが、談志師匠の落語CDのお勧めを尋ねられて、それなら談志の弟子の落語を聞きに行きなさいとアドバイスされてました。私もそのアドバイスに従い、今度は志らくさんの独演会に行く予定です。そのうちには寄席にも行ってみようかと思っています。「志の輔らくご」、落語の面白さと凄さを味わえました、満足いたしました。


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posted by たくカジ!!日記 at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語